私がつまみ細工を製作していることを知った90歳過ぎの叔母が、18歳の時に付けていたつまみ細工の髪飾りをプレゼントしてくれました。
「私、かわいいやろ」と、自慢げに当時の写真も添えて(笑)
父親に買ってもらった髪飾りで、父親と一緒に映画館に行った時の写真だそうです。セピア色の写真が時の流れを感じさせます。「大切な思い出の品を形見分けだ」とお茶目に笑った叔母、まだまだ長生きしそうです。
70年前のつまみ細工職人が作った髪飾りを手に取って見られるのは、つまみ細工の作家として光栄なことです。当時は男性の仕事だったようで、細かい作業、きっちりと敷き詰め葺いた花びら、色彩、デザインは見惚れてしまいます。指で押さえても花びらは復元して崩れることが無く、その技術に感心です。昔の人の凄さを目の当たりにしました。
全て正絹ながら、少しシミや黄ばみはあるものの保存状態も良く、博物館並み?な~んて思ったり。私の宝物となりました。
地毛で日本髪を結っていたそうです。
この色合いは、髪に映えていたんでしょうね。
花びらのサイズが小さくて、相当、細かい作業だったと思います。昔の技法なので糊なのですが、しっかりくっついていました。正絹なので手触りも滑らかです。